駄談2011

ドイツ在住のアーティストが雑談で築くネットワーク

偽リスの檻5月17日

前日4時就寝、16時起床。食1:ピーナツバターとレーズンパン。食2:サラダ。食3:チャーハン。

寝坊。散歩。制作。今日もぐるぐる。他の作品の製作も並行しているのに、だんだん、まるで自分の職業が「毎日ひたすらぐるぐるする人」に思えてくる。いっそ受刑者の刑務作業か、とさえ感じる。ぐるぐるに囚われ、ぐるぐるする日々。そのぐるぐるの中から、何か飛び出てくるまでには、まだ時間がかかりそうな予感。図書館から借りてきたドイツ映画「L Amour」鑑賞。

写真:なんと中世マーケットは有料だった。普段散歩で通るルートにゲートが架設されていて、あえなく止められ迂回を余儀なくされる。

偽リスの檻5月16日

前日6時就寝、14時起床。食1:ピーナツバターとレーズンパン、コーヒー。食2:チャーハン。食3:サラダ。

どうでも良い話といえば、昨日こんなことがあった。バスに乗り込んで席に着いた瞬間に強烈に酸っぱい臭いが鼻を突いたので、草履を履いていたということもあり、まさか知らないうちに足がすごく臭くなってしまったのか、と軽いパニックに陥ったという話。実際は、すぐにその臭いの元が目の前に座っていた男の子のプリングルス(サワークリームオニオン)であることに気づいて、一瞬湧いた恥ずかしさは同じく一瞬で消えたのだけど、実は人が抱いているそれぞれのコンプレックスもこんな風に、ぱっと外せるんじゃないのか。つまり自分の勘違いだったと勘違いすれば。明日は休日なので、散歩がてら食料を買い出しにいった後、アトリエで制作。毎日制作ばかりなので来週デュッセルに行ったら、ぜひのんびり。制作と平行して、色に関する資料をまとめる。色彩が発生する原理は3つ。ひとつは色素(一定の波長を反射して他を吸収する)によるもの。ふたつめは、レイリー錯乱と呼ばれる現象(空が青い理由)。そして光の波の相互干渉によるもの(CDの裏面の虹など)。この色彩の生成と人の意識の生成が、同じ現象としてうまく作品上で接続できないかと試みているのが、ぐるぐる。今日は6ぐるぐる+1大ぐるぐる。

写真:中世マーケットで明日から出番のロバ。(本物に見えない)

偽リスの檻5月15日

前日5時就寝。12時起床。朝:シリアル、コーヒー。昼:Schupfnudel、夜:ニョッキサラダ。

天気予報は晴れ、しかし洗濯物を抱えてアトリエを出たあたりから空模様が怪しく変わり、程なくして嵐が目の前を通過した。本降りになったときにはホームセンターの軒下に逃げ込んでなんとかことなきを得たけれど、結局雨が降りしきる中、乾いた洗濯物を背負ってとぼとぼ帰るはめとなる。傘もなく。帰り際、久しぶりに図書館に立寄り、新聞や何冊かの雑誌を読み、DVDとオーディオブックを借りる。今日のどうでも良い知識。「2011年、ドイツ人の平均チーズ消費量は一人当たり23キロである」。

写真:色を生じさせる原理の実験。

偽リスの檻5月14日

前日5時就寝、13時起床。昼:レーズンパン、コーヒー。夜:玄米、みそ汁、焼き魚、サラダ。夜2:ラーメン。

アンドレアスがプロジェクトの相談に来る。2時間アイデア出しと雑談。夜、ひろゆきの対談映像を聴きながら、制作とぐるぐるに関するリサーチを平行。読書とドイツ語を少し勉強。

写真:17日からアトリエの目の前で4日間、中世のマーケットが開催される。ただいま準備中。

偽リスの檻5月13日

前日4時就寝、12時起床。朝:ぶどうパン、コーヒー。昼:焼きそば。夜:ラーメン、サラダ。

昨日の夜の最後は、気になった本のプレビューをネットで読んでいた。日本に住んでいたら本屋で立ち読みするなり、図書館でチェックするなりしていたであろう種類の本を、その本のプレビューを読むことによって、頭の中で元々の内容を想像の中で再構成し、溜飲を下げることが時々ある。子供が本物のピアノの代わりに、紙に鍵盤を書いて自分でぴろぴろやるようなものである。昨日はアンドリュー・パーカーの「眼の誕生」から始まり、森博嗣の「自由をつくる、自在に生きる」で終わった。その際、少し引っかかった部分が、プレビューに引用されていた森博嗣の文章の中にあった。「本来、自分の時間は自分のためにある。何をするかは自由なはずだ。しかし、ブログを書くことが日常になると、ついブログに書けることを生活の中に探してしまう。人が驚くようなものを探している。写真に撮って人に見せられるものを見つけようとしている。たとえば、1年かけてじっくりと考えるようなもの、10年かけなければ作れないようなもの、そういった大問題や大作ではなく、今日1日で成果が現れるような手近な行為を選択するようになるのだ。知らず知らず、ブログに書きやすい毎日を過ごすことになる。これは、「支配」以外のなにものでもない。人の目を気にし、日々のレポートに追われるあまり、自分の可能性を小さくする危険がある。充分に気をつけた方が良いだろう。」自分の場合、ブログを毎日書き出したのが去年の10月1日。写真を付け始めたのが2月1日。しばらくの継続の後に、このブログとおいら自身の「可能性」は今、どういう関係になっているのだろう?

写真:昨夜の「間接読書」で得たものをキャンバス上に実験。まずは下塗り。

偽リスの檻5月12日

前日4時就寝、12時起床。朝:シリアル、ヨーグルト、コーヒー。昼:焼きそば。夜:ニョッキ。

気温が一気に10度以上も下がり、空もぐずぐずな今日。ユングの本を読んでいたら、こんな一節があった。「錬金術師が言っている金とは、決して物質的な金ではないことにユングは気づいていく。(中略)彼らが金と言っているものは、実は彼らの内面的な理想の状態であることをユングは明らかにした。錬金術師たちは材料の物質を溶かしたり焼いたり蒸発させたりしながら、そのプロセスに自分の心理を投影していたのである。錬金術師たちは結局、対立するものを、どちらも生かす道を探っていたのであり、対立物の結合を目指していたのである。」これを読んで、結局、アートの機能も同じようなものだなと思う。作り手にとっても、鑑賞者にとっても。

写真:このぐるぐるシリーズには仮タイトルとして「Portrait – F」という名前がつきました。FはFrequency(周波数)のF。

偽リスの檻5月11日

前日4時就寝、12時起床。昼:ヨーグルト、コーヒー。夜: ビアガーデンでビザ・シシリアーナ。

夏のような一日。昨日突然パンクした自転車のタイヤを修理しようとするけれど挫折、放置。かわりにバスで街に出る。16歳の、剣術をやっているフィリップと交換学習。「僧兵」と「山伏」の違いや「徳川」の正しい発音を聞かれる。マニア過ぎる。こんなに天気もいいし、アトリエに帰らず、街で何かしようと思っていたら、ウルム・アート・トリエンナーレの書類を出す際にフリードリッヒと遭遇したので、二人でビアガーデンに行き、ピザを食べながら彼のイスタンブール滞在の話を聞く。その後、車で街の真ん中に下ろしてもらい、川沿いのエリアをひとりでぶらぶらしていたら、今度はハリーと彼の同僚、パトリックと出会う。一杯ビールを飲んで、たわいもない時間を過ごす。

写真:金曜日の夜ということもあり、人が多く街に繰り出している。

偽リスの檻5月10日

前日3時就寝、9時起床。朝:ワッフル、コーヒー。昼:サラダ。夜:玄米、かぶとツナの煮物、みそ汁。

よい天気。朝、キヨスクに新聞を買いにいく。見出しは大きかったがまだ扱いは「珍しい人」だった。うーん。昼前、ライナーがオープンアトリエのときに忘れていった鞄をとりにくる。ついでにジョンケージフェスティバルのときの映像をくれる。iphoneからおいらのmacbookにデータを移すのになぜか異様な四苦八苦。夕方、K.P.とフリードリッヒが来て、9月からのMunderkingenでの音楽プロジェクトのミーティング。夜はブンデスリーガ昇格、残留をかけたデュッセルドルフ対ヘルタ・ベルリンの試合をオンラインで見る。その後、制作。どうもかなりのストレスがたまっている。こんなにいい天気なのに。

写真:ライナーが四苦八苦。

偽リスの檻5月9日

前日3時就寝、12時起床。昼:ワッフル、コーヒー。夜:玄米、みそ汁、サラダ、かぶの葉とツナの炒め物。

今日開けた白ワインがなかなか美味しかったので、てっきりオープンアトリエのときに誰かにもらったのだろうと思い、電話であきこに尋ねたら、前日に自分たちで買ったものだった。うーむ。前日の新聞の取材で、マーケティングはどうしているのか、やはり意識して、積極的にコネ作りなどしているのか、という質問があった。そのときは、自分に「コネ作り」なんて器用なことができる訳はないので、面白そうなイベントだったら行くし、興味深そうな人だったら話しかけるぐらいだと答えた。今日考えるに、オープンアトリエにアウグスブルグからわざわざ来てくれたさとしさんが、彼の40歳の誕生日のための作品制作を頼んでくれたこと。そして、少し前のジョン・ケージ・フェスティバルで可世木祐子さんと共演できたこと。つまり、共感をおぼえたひとと一緒に、またはそのひとのために、何か自分なりにできることがあるという幸せな機会において、しっかり自分の力を注ぐこと。それが自分にとっては近い将来、一番のマーケティングになっていくと思う。少なくともそう願いたい。

写真:見た目は悪いが、かぶの葉とツナの炒め物が異様に美味しくできたので一枚。(といっても味は伝わらない。)

偽リスの檻5月8日

前日2時半就寝、9時起床。朝:パン、コーヒー。昼:玄米、ラーメン。夜:パン、チョリソー、サラダ。

昼、新聞の取材が2時間。買い物。夜はぐるぐる制作。ウォン・カーウァイ「ブエノスアイレス」鑑賞。

写真:オープンアトリエで残ったアルコールがすごい勢いでなくなっている。

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